○各務原市地震防災対策推進条例

平成17年3月31日

条例第9号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 予防対策

第1節 震災に強い安全な地域社会づくり(第6条―第8条)

第2節 地域防災力の育成及び強化(第9条―第14条)

第3章 応急対策

第1節 応急体制の確立(第15条―第17条)

第2節 緊急輸送対策(第18条・第19条)

第3節 帰宅困難者等に対する支援(第20条・第21条)

第4節 その他震災の拡大を防止するための対策(第22条―第25条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、地震災害から市民の生命、身体及び財産を守るため、地震防災対策に関し、市の責務、市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、市が実施する施策の基本となる事項等を定めることにより、県、市、市民及び事業者による相互の信頼関係に基づく協働体制を確立し、地震災害に強い安全な地域社会づくりの実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 震災 地震動により直接生ずる被害及びこれに伴い発生する火事、爆発、土石流その他の異常な現象により生ずる被害をいう。

(2) 地震防災 震災を未然に防止し、震災が発生した場合における被害の拡大を防ぐことをいう。

(3) 防災関係機関 国、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第2条第5号に規定する指定公共機関、同条第6号に規定する指定地方公共機関、公共的団体及び防災上重要な施設の管理者をいう。

(4) 事業者 市及び防災関係機関以外の事業を行う法人並びに個人をいう。

(5) 自主防災組織 市民がその居住する地域において、自主的に結成する防災組織をいう。

(市の責務)

第3条 市は、地域並びに市民の生命、身体及び財産を震災から保護するため、地震防災に関する計画を作成し、及びこれを実施する責務を有する。

2 市長は、自主防災組織その他防災関係組織の充実を図り、市の有するすべての防災機能を十分発揮できるよう努めなければならない。

(市民の役割)

第4条 市民は、県及び市が実施する地震防災対策の円滑な推進に協力するものとする。

2 市民は、自主防災組織等が実施する防災訓練その他の活動に積極的に参加し、地震防災対策に関する知識の習得に努めるものとする。

3 市民は、震災に備え、あらかじめ次に掲げる対策を講ずるよう努めるものとする。

(1) 建築物その他工作物(以下この条及び次条において「建築物等」という。)が所在する土地の地形及び地質の状況を把握しておくこと。

(2) 建築物等の耐震性を確保すること。

(3) 家具の転倒防止策をとること。

(4) 初期消火に必要な消火器等を備えること。

(5) 食料、飲料水及び医薬品を備えること。

(6) 避難場所及び避難所の位置並びに避難の経路及び方法を確認すること。

(7) 震災発生時における通勤、通学先等からの帰宅方法及び家族間の連絡方法を確認すること。

(8) 前各号に掲げるもののほか、震災に備え自らの安全確保に必要なこと。

(事業者の役割)

第5条 事業者は、地域の一員として、県及び市が実施する地震防災対策の円滑な推進に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は、地域の自主防災組織等が実施する防災訓練その他の地震防災の活動に協力するよう努めるものとする。

3 事業者は、震災に備え、あらかじめ次に掲げる措置を講ずるよう努めるものとする。

(1) 事業の用に供する建築物等が所在する土地の地形及び地質の状況を把握しておくこと。

(2) 事業の用に供する建築物等の耐震性を確保すること。

(3) 地震防災の活動の責任者を定めることその他地震防災の活動に関する組織を整備すること。

(4) 従業員が地震発生時にとるべき行動を明確にすること。

(5) 防災訓練、地震防災に関する研修等を実施すること。

(6) 応急的な措置に必要な資材及び機材を整備し、並びに食料、飲料水及び医薬品を備えること。

第2章 予防対策

第1節 震災に強い安全な地域社会づくり

(震災に強い地域社会づくりの推進)

第6条 市は、県その他防災関係機関と連携して、道路、公園、河川等の基盤施設の整備、学校その他の公共施設の耐震化及び非常電源設備等の整備を通じて、震災に強い安全な地域社会づくりに努めなければならない。

(建築物の耐震性の確保)

第7条 建築物の所有者は、当該建築物が地震動により倒壊すること等により、歩行者等に危害を及ぼし、又は避難若しくは緊急物資の輸送等を阻害することがないようにするため、当該建築物について、必要な耐震診断を行うとともに、その診断結果に応じ耐震改修を行うよう努めるものとする。

(屋外工作物等の耐震性の確保)

第8条 屋外に広告板その他の工作物及び自動販売機(以下この条において「工作物等」という。)を設置し、又は設置しようとする者は、当該工作物等が地震動により落下し、又は転倒すること等により、歩行者等に危害を及ぼし、又は避難若しくは緊急物資の輸送等を阻害することがないようにするため、当該工作物等の耐震性を点検し、その耐震性を維持するよう努めるものとする。

第2節 地域防災力の育成及び強化

(自主防災組織の結成とその活動の推進)

第9条 市は、地域における地震防災対策の効果的な実施に資するため、自主防災組織が結成され、当該自主防災組織の活動が活発に行われるように努めなければならない。

(災害ボランティアコーディネーターの育成)

第10条 市は、県等と連携して、災害ボランティアコーディネーター(ボランティアによる地震防災の活動が円滑に行われるようボランティア相互間の調整を行う者をいう。)の育成に努めなければならない。

(地域防災協働隊の育成)

第11条 市は、震災発生時において地域に密着した地震防災の活動が円滑かつ効果的に実施されるよう、県と連携して、地域防災協働隊(自主防災組織、ボランティア、事業者、公共的団体その他関係行政機関が概ね小学校の通学区域を単位とし、連帯感をもって、相互に連携しながら、それぞれの地震防災の活動を行う仕組みをいう。)の育成に努めなければならない。

(地震防災に関する知識の普及等)

第12条 市は、市民が震災の発生に備え、適切な対策を講ずることができるようにするため、県、自主防災組織その他防災関係機関等と連携して、地震及び地震防災に関する知識の普及並びに防災意識の高揚を図るよう努めなければならない。

(地震防災に関する教育の実施)

第13条 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(大学を除く。)及び児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条に規定する保育所の設置者は、生徒、児童及び幼児が地震及び地震防災に関する理解を深めるとともに、震災発生時において自らの安全を確保できるように、地震及び地震防災に関する教育の実施に努めるものとする。

(防災訓練の実施)

第14条 市は、県、自主防災組織その他防災関係機関等と連携して、積極的に防災訓練を行うよう努めなければならない。

第3章 応急対策

第1節 応急体制の確立

(応急体制の確立)

第15条 市長は、震災が発生した場合においては、迅速かつ的確な避難、救出、医療等の応急対策が講じられるようにするため、速やかに必要な体制を確立しなければならない。

(情報連絡体制の確立)

第16条 市長は、震災が発生した場合においては、地震及び震災に関する情報を市民と共有するため、県、自主防災組織その他防災関係機関等と連携して、速やかに必要な体制を確立し、迅速かつ的確に情報を提供するものとする。

(応急対策の実施に係る応援等)

第17条 市長は、震災が発生した場合において、必要があるときは、県知事、他の市町村長、防災関係機関の長及び応急対策の実施に係る事業者に対し、直ちに応急、対策の実施に関する応援又は協力を求めるものとする。

第2節 緊急輸送対策

(緊急輸送の確保)

第18条 市は、震災が発生した場合においては、迅速に応急対策を実施するため、県その他防災関係機関等と連携して、必要な緊急輸送を確保するよう努めなければならない。

(緊急車両等の通行の確保)

第19条 市民は、震災が発生した場合においては、災害対策基本法、道路交通法(昭和35年法律第105号)その他の法令の規定に基づき公安委員会又は警察官が行う車両の通行の禁止その他の道路における交通の規制を遵守するほか、当該交通の規制が行われていない道路においても車両の使用を自粛することにより、救急患者の搬送、緊急物資の輸送等に係る緊急車両及び高齢者、障害者等の避難のための車両の通行の確保に協力するよう努めるものとする。

第3節 帰宅困難者等に対する支援

(帰宅困難者等に対する支援)

第20条 市は、県その他防災関係機関等と連携し、東海地震に係る警戒宣言(大規模地震対策特別措置法(昭和53年法律第73号)第9条第1項の規定により内閣総理大臣が発する地震災害に関する警戒宣言をいう。)が発せられ、又は震災が発生したことによって、長期間にわたり交通機関が停止し、又は道路における車両の通行が禁止されること等により、帰宅することが困難となり、又は旅行途中で目的地に到達することが困難となった者が円滑に帰宅し、又は避難するために必要な情報を提供するよう努めなければならない。

(震災時要援護者対策)

第21条 市は、高齢者、障害者、傷病者、乳幼児等で震災発生時に特別な援護を要する者に対する避難誘導、介護支援その他の対策に必要な措置を講じなければならない。

第4節 その他震災の拡大を防止するための対策

(衛生的な生活環境の確保)

第22条 市長は、地震及び震災が発生した場合においては、県その他防災関係機関と連携して、感染症の発生の予防及びまん延の防止、食中毒の発生の予防その他の公衆衛生の確保のために必要な措置を講じなければならない。

(災害ボランティア活動への支援)

第23条 市は、震災が発生した場合においては、災害ボランティア活動が円滑に実施されるよう、県その他防災関係機関等と連携して、支援に努めなければならない。

(自主避難等)

第24条 市民は、地震及び震災に関する情報に留意し、危険を感じたときは自主的に避難するとともに、市長等が避難勧告を発したときは、速やかに避難するよう努めるものとする。

(危険度判定)

第25条 震災を受けた建築物及び宅地(以下この条において「被災建築物等」という。)の所有者及び管理者は、当該被災建築物等が余震により倒壊すること等により生ずる災害を防止するため、市が実施する危険度判定(被災建築物等の危険度の応急的な判定をいう。)に協力するとともに、その判定結果に応じ、避難し、又は応急の補強等の対策を実施するよう努めるものとする。

この条例は、平成17年4月1日から施行する。

各務原市地震防災対策推進条例

平成17年3月31日 条例第9号

(平成17年4月1日施行)

体系情報
第3類 執行機関/第1章 長/第8節
沿革情報
平成17年3月31日 条例第9号